職場や家庭での感染事例が相次いでいます。マスクもし、手洗いも換気も頻繁にしているのに、なぜ? という疑問をもってしまう人もいるでしょう。ひょっとすると、その原因は清掃にあるかもしれません。
参考になる病院の清掃マニュアル
考えてみれば、病院というのは、新型コロナウイルスに限らず、さまざまな菌やウイルスがやってくる場所でもあります。「当然、清掃にはものすごく気をつかっているはず」と思って、検索してみました。とてもわかりやすいドキュメントがあったので、ご紹介しておきましょう。
「感染の基礎知識と感染予防の実際」(国立障害者リハビリテーションセンター)
ここから重要な部分を抜粋して紹介します。
病院清掃の基本の第1は、埃、汚れをとり除くことです。微生物が付着した埃が舞上がることによって、鼻、口、上気道、傷口等に定着、人体に侵入し病気を引き起こすこともあります。(中略)しかし、これらの埃や汚れを除去するのに、消毒を日常的に行っても意味はありません。洗浄をしないで消毒薬を使用しても、消毒効果は得られないのです。
冒頭から重要な指摘です。埃(ホコリ)と汚れを取り除くことがとても大切です。NHKの「クローズアップ現代」でも、ウイルスがホコリとともに舞い上がることを実証した映像がありました。なお、末尾の「洗浄しないで消毒薬を使用しても、消毒効果は得られないのです」という部分は、次亜塩素酸ナトリウム水や次亜塩素酸水など、汚れに反応して性質が変化してしまう(消毒効果がなくなる)消毒薬を前提にした記述です。
清掃の順番も感染予防の基本です。
①奧から手前に拭く
②上から下に拭く
③清潔から汚染区域に向かって拭く
そして、更に大切なことは
①モップは床から離さないこと
②床から持ち上げないこと
③一方向に清拭すること
清掃はうっかりすると、汚染をひろげるだけになってしまうのです。奥→手前は、手前→奥だと自分の汚れをひろげてしまうから。上→下、清潔→汚染区域という順番は、「汚れの少ないところから多いところへ」という順番。オフィスでは、人の少ないところから、多いところへ清掃していくという方向になるでしょう。
うかつに掃除機は使わない
清掃がモップを前提にしているのは、掃除機をうかつに使うと、細菌・ウイルス類をホコリと一緒に舞いあげてしまうからです。その上で、1)モップを床から離さない・持ち上げない、2)一方向に拭き取ること、となっています。
モップを床から持ち上げると、細菌・ウイルスを落下させてしまうし、モップを往復させると、せっかくモップ側に拭き取った細菌・ウイルスを、また床に塗りたくってしまう。ほかの病院清掃マニュアルをみても、すべて「一方向に拭き取る」となっています。モップも雑巾も「往復させない」のがルールと覚えましょう。
モップの取扱いでは、オフロケーション方式といって、清掃作業時には1回1回モップを濯がず、次々と清潔なスペアのモップに交換しながら拭いて、あとで一括して洗濯機で洗って乾燥させる方法がよいといわれています。湿ったままのモップ糸にはグラム陰性桿菌が増殖します。高温洗濯(80度10分間)、乾燥機などを使用して加熱乾燥させることが清掃のプロの技です。
これも重要です。マスクも外してからの扱いを間違えると、手指にウイルスをつけてしまう。モップはなおさらです。一般には、バケツに水や薬剤・洗剤をいれ、モップを濯(すす)ぎながら清掃を継続するものですが、いまはオフロケーション方式にするほうがいいでしょう。
ゴミ箱の清掃も大切
続いて、北大病院感染対策マニュアルから抜粋します。
ゴミ箱
ゴミ箱に付着している汚れが細菌増殖の温床になる可能性があるため,こまめに拭き掃除を行なう必要がある。
多くのオフィスや家庭で、これは盲点ではないでしょうか。鼻をかんだティッシュはウイルスまみれ、という可能性もあります。
水回り
緑膿菌などは,湿潤した環境を好み,ねばねばした「ぬめり」(バイオフィルム保護膜)を形成し環境に生存し続ける。院内で問題となる多剤耐性緑膿菌(MDRP)が「ぬめり」を作り,水回りに定着した場合には,手などを介して間接的に伝播する可能性がある。そのため,汚物処理室や洗面・手洗い所,トイレ,バスルームのシンク,排水口を含む水回りの「ぬめり」を取り除くような清掃と換気をよくして乾燥させることが重要である。
水回りも盲点です。都営大江戸線の運転士のクラスターで当初、蛇口を通じた接触感染が疑われたことで、ハッとした人も多いでしょう。営業が外に出る前に歯磨きをすることもあるし、うがいをすることもある。オフィスの水回りはウイルスまみれの可能性もあるわけです。
このほか、さまざまなマニュアルに共通しているのが、1)手が触れる場所を重点的に清掃すること、2)往復させず、一方向で拭き取ることです。
MISTECTを併用する効果
もちろん、こうした清掃に、当社のMISTECTとBNUHC-18は役立ちます。どちらもGSE(Grapefruit Seed Extract)を除菌剤に使うものです。
MISTECTを清掃に併用する利点は、清掃におけるリスクを下げることができる点にあります。MISTECTは7ミクロンの超微粒子として空間放出された薬剤がブラウン運動で拡散し、室内空間の露出表面にくまなく、びっしりと貼りつくシステムです。広い床も手間なく除菌コーティングができますから、清掃の前にやっておくと、掃除機を使う清掃担当者のリスクも下げます。
写真は江戸川区感染対策コミュニティ「院内環境の感染対策」からの引用です。こうした、手作業ではやりきれない、つい見逃してしまうところに対して、ブラウン運動で手間なく薬剤をコーティングできることも、MISTECTの長所です。
BNUHC-18は清掃のパートナー
新製品のBNUHC-18は、MISTECTテクノロジーから生まれた新しい除菌剤です。MISTECTウォーターとは濃度が異なり、スプレーして拭き取るといった使い方を想定しています。除菌能力を確保しながら、アルコールと同程度の価格にすることにこだわりました。
不安定な物質ではないので、次亜塩素酸系の薬剤のように、汚れに反応して除菌力を失う、ということはありません。また、除菌効果が持続します(抗菌になる)。モップ清掃に併用すれば、除菌しながら拭き取ることになる上、乾いたあとも床に残ったGSE成分が除菌を続けます。
ゴミとゴミ箱にスプレーするのも手です。ゴミ処理時のリスクを下げます。
特筆すべきは、食品や化粧水に添加されるくらい安全であり、かつ、モノに対しても比較的影響が小さい、という点です。ピアノ鍵盤をアルコールで消毒するとひび割れすることが問題になっていますが、BNUHC-18を二カ月間、毎日ピアノ鍵盤に噴霧し、ひび割れしないことを確認しています(それでも、メッキされた金属等、モノによっては変色する可能性もありますので、事前に目立たないところで試してからお使いください)。
この図が、とても参考になります(アビガンを開発した白木公康氏の記事より)。
オフィスにせよ家庭にせよ飲食店にせよ、ウイルスは床に落ちて、そこで感染力を長く保っています。