いくつか目についたGSE(Grapefruit Seed Extract)関連の研究をご紹介します。GSEは強い抗菌性を示すことから、新型コロナウイルスに限らず、いろいろな研究の対象になっています。まず、抗菌のメカニズムを含めた研究がこちらです。
結論として「GSEは幅広いグラム陰性菌およびグラム陽性菌に対して、安全性が確認された希釈液でも抗菌特性を有することが示された」とあります。また、この研究では走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いてGSEの抗菌の様子を観察しており、非常に薄い濃度でもGSEは細胞の膜を破壊して、細胞内容物を遊離させることで、抗菌活性を示すことが確認されています。
薬剤耐性菌にも効果
続いて、こちらの論文です。
GSEがMRSA(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に抗菌活性を示すことを確認した研究です。黄色ブドウ球菌は抗菌剤に対して耐性を獲得してしまう厄介な特性をもっています。当初ペニシリンがよくこの菌に効いたのですが、耐性をもってしまったため、開発されたのがメチシリン。しかしこのメチシリンにも耐性を獲得してしまったのが、MRSAです。
この研究では、以下の12種類の植物エッセンスを使い、MRSAに効果のあるものを探索しました。
実験の結果、効果があるのは12番のGSEだったというわけです。MSSA, MRSAおよびVRSAに抗菌活性を示したとあります。MRSAについては、類似の研究もあります。
The effect of essential oils on methicillin-resistant Staphylococcus aureus using a dressing model
これは、パチュリー/ティートリー/ゼラニウム/ラベンダーのエッセンシャルオイルとGSE(これもつまりはグレープフルーツ種子のエッセンシャルオイル)を単独、または組み合わせて、MRSAへの抗菌活性を調べたもの。
結果、GSEとゼラニウムオイルの組み合わせがMRSAに対して最も高い抗菌効果を示し、ゼラニウムとティーツリーオイルの組み合わせがMSSAに対して最も効果があったとあります。この研究は「エッセンシャルオイル蒸気の抗菌剤としての可能性と、MRSA感染症の治療への使用を実証するものです」という結びです。
耐性菌ができにくい可能性
冒頭でご紹介した論文が示す通り、GSEは菌の膜を突き破って、中身をひっぱりだして抗菌します。MRSAは膜をつくって我が身をメチシリンから守るのですが、GSEはお構いなく膜を突き破り、中身を遊離させる。この抗菌メカニズムからいって、GSEを頻繁に使っても、GSEの耐性菌が出る可能性は小さいと考えられます。
注記
以上の研究により、GSEを成分とするBNUHC-18とMISTECTには、MRSA/MSSA/VRSAといった、院内感染で問題になる厄介な薬剤耐性菌についても、抑制効果があることが期待されます(とくにMISTECTはGSEを室内の露出表面に自動的に付着させるシステムですので、病院のあらゆる場所で使うのに向いています)。
しかし、BNUHC-18とMISTECTを使って研究をしたものではありませんので、これはあくまでも可能性です。BNUHC-18とMISTECTの性能を示しているものではありません。実証研究をしてみたい、という研究者の方には、BNUHC-18とMISTECTをご提供します。こちらの窓口からご相談ください。