新型コロナウイルスによるCOVID-19の犠牲となられた方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方には心よりお悔やみを申し上げます。また、危険を承知でこの病気と戦ってくださったすべての医療関係者、および日々、分析を続けて対策を練った感染症の専門家のみなさんに感謝いたします。

いまなお、日本でも、世界でも感染が続いています。私たちにも、なにかできることはないかと、新型コロナウイルスに関する論文を精読しました。世界で続々と研究論文が発表され、それがすぐさまインターネットを通じて公開されるところに、時代の変化も感じたものです。

サーフェスコントロールシステム

その結果、新型コロナウイルスの感染リスクを下げる方法論のひとつとして、室内の露出表面を自動的にアンチウイルスコーティングするMISTECT™システムをまとめあげました。これを「サーフェスコントロールシステム」と呼んでいます。

具体的には、マシン(MISTECTマイクロスプレッダ)から超微粒子にし、マイナスに帯電させた植物エッセンスを空間に少し放出します。あとは室外待機。2時間ほどで、超微粒子が部屋のすみずみまで行き渡り、床や壁などの表面にくっついて、室内の露出表面をコーティングします。空間中には薬剤はほとんど残りませんし、よく換気をしてから部屋を使っていただきます。

放出する時間も量もわずかです。人のいないところでマシンを稼働させ、しばらく放置して、薬剤が表面に定着するのを待ち、よく換気をしてから部屋を利用していただく前提です。この手順なら、薬剤を吸い込むことはありません(作業者はサージカルマスクで吸い込むことも防止します)。

使用する植物エッセンス「MISTECTウォーター」は、GSE(Grapefruit Seed Extract)の水溶液。農薬成分(塩化ベンゼトニウム/塩化ベンザルコニウム)や防腐剤成分(トリクロサン/メチロパラベン)、界面活性剤成分(グリセリン)を含まない、100%ナチュラルなGSE水溶液です。天然のフラボノイド成分が、ウイルスのエンベロープをこわします。

人間が作業をする必要がなく、そして人間にとって安全であることが特徴。サーフェスコントロールで接触感染リスクを小さくする、手軽で安全な新型コロナ対策システムです。セイノーメンテック株式会社(セイノーホールディングス株式会社100%子会社)が出張サービスを開始しているほか、限定販売も開始しています(ニュースリリースをご覧ください)。

MISTECT™の今後の最新情報は、公式ツイッターをフォローしてください。


Botanical Virus Protection by InfoLeaf Inc.

「3密」の指摘に感謝

振り返ると、日本は早い段階で感染症の専門家たちがクラスターの存在を突き止めて、「3密を避けましょう」と提唱したことが、じつに大きい。図をひとつ引用しておきます。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月29日)に記載されている説明図です。

クラスターには、ひとりで何人もの人に感染させる「スーパースプレッダ」がいます(図の赤い人物)。こういう言い方をすると、特別に声が大きくてよく唾を飛ばすとか、やたらハグをするなど、「一人で感染をひろげる迷惑な人」と思ってしまいがちですが、そうではない。専門家たちは、あるひとりの感染者がスーパースプレッダになってしまうのは、その「場」に原因があることを突き止めたのです。

人が感染を広めるのではなく、場が広めている。それが「密」の発見です。逆にいうと、感染者が密な場にいれば、誰もがスーパースプレッダになってしまう可能性があるということ。スーパースプレッダとクラスターの存在をつきとめ、そして「スーパースプレッダが問題」としたのではなく、「3密が問題だ」と指摘した。これは、世界に誇れる、日本の専門家たちのすばらしい仕事だと言えるでしょう。

※3密とは、1)換気の悪い密閉空間、2)多数が集まる密集場所、3)間近で会話や発声をする密接場面のこと。最近は海外でも、3C(Closed spaces/Crowded places/Close-contact settings)として注目を集めている。

二つのクラスター事例:合唱団

では、「密」な環境ではなぜ、クラスターが発生してしまうのでしょうか。第一の疑いは、感染者が吐出するエアロゾルによって、ウイルスが空気中を漂い、それを吸い込んで感染してしまうのではないか、ということです。

代表的な事例は、合唱団のクラスターです。3月6日にアムステルダムで行われたクラシックコンサートに出演した合唱団の130人中、102人までが感染してしまった事例が報じられています。

130人の合唱団のうち、102人がCOVID-19患者となってしまった演奏会。2020年3月6日。
https://www.trouw.nl/verdieping/die-ene-passion-die-wel-doorging-met-rampzalige-gevolgen~b4ced33e/

3月17日には、アメリカでも似た事例があり、これは詳細な分析がされ、論文になっています。ワシントン州スカジット郡での出来事。61人が参加した2.5時間の聖歌隊練習によって、32人が感染してしまったのです。cf. CDC: High SARS-CoV-2 Attack Rate Following Exposure at a Choir Practice — Skagit County, Washington, March 2020

日本でも、合唱団の練習で感染した例、カラオケバーで感染した例が報道されています。密な環境で、大きな声を出してエアロゾルを飛ばすことの危険性を示していると考えられます(対策として重要なのは換気です。また以下に説明するように、エアロゾル感染よりも、接触感染している可能性もあります)。

見逃せない接触感染リスク

一方で、指名やチェンジのある夜のお店でのクラスターも続いています。こうしたところでは静かに話すのがふつうで、合唱団ともカラオケとも異なります。病院でもクラスター(院内感染)が発生している。やはり、「密」な環境であっても、基本的には接触感染を疑う必要があるでしょう。ウイルスを手指につけ、それを目・鼻・口に運んでしまうことによる感染です。

接触感染が厄介なのは、時間と場所の壁を容易に突破されてしまうことです。合唱団の感染の場合、そもそもは「その日のその時間に同じ部屋にいる」ことが原因です。逆にいうと、エアロゾル感染には時間と場所の制約があります。

しかし、接触感染には、時間・場所の制約がない。手指などを通じてどんどん水平方向に広がってしまうのです。陽性者が「うつしてやる」と言いながら訪れたお店の映像(2020年3月4日。愛知県蒲郡市)では、この迷惑な人に接客した人ではなく、数時間後に同じ席に座った別の人が感染しています。これがまさに接触感染です。

新型コロナウイルスは、空気中にはあまりいない、という研究もあり(大半は下に落ちる)、むしろ接触感染のほうが目立つウイルスです。このため、WHOをはじめ、各国は「手洗いが重要」と啓蒙を続けています。石鹸成分が新型コロナウイルスのエンベロープをこわし、不活化しますので、手指を清潔に保てば、接触感染を水際で防ぐことができるということです。

ご紹介した合唱団の事例でも、「同じ部屋で歌ったから感染がひろがった」というだけではないかもしれません。髪の毛についたウイルスを手指を介して目・鼻・口にもっていったり、練習後に会食をして、ハグをして、いろんものを手づかみで食べて感染した可能性もあります。

これらの接触感染は、手洗いを頻繁にし、飲食をともなう打ち上げをせず、まっすぐ帰宅してシャワーを浴びていれば、防げた可能性が高い。事実、アムスルダムの事例でも、130人中28人は感染しておらず、この方たちは合唱後に慎重に行動したのかもしれません。

モノの「表面」を処理して、ウイルス量を減らす

新型コロナウイルスが、これまでのインフルエンザウイルスと異なるところはいくつもあるのですが、モノの表面で長生きするという特徴がわかってきています。モノの表面や床で長く感染性を保つ。通常、ウイルスは宿主を離れると長くは生きられないのですが、ステンレスのような硬いものの表面では、何日も生きているようです。

これほどの爆発的な感染が起きたのは、新型コロナウイルスがモノの表面で長寿命であり、接触感染リスクが高いことが、大きな理由であると思われます。2020年2月~4月中旬に発表された関連論文をレビューしたこの論文によくまとまっています。
MedCrave: Environmental surface contamination with SARS-CoV-2 – a short review

この論文には、新型コロナウイルスが広範囲の「表面」を汚染しており、それを減じることができなければ、ロックダウンの効果を出しにくいことが書かれています(詳しくは末尾で述べます)。そして、まさにその「表面」のウイルスを処理することを念頭に、「サーフェスコントロール」という概念をMISTECTとともに提唱することにした、という経緯です。

MISTECTは柑橘系植物エッセンスの水溶液であるMISTECTウォーターを、MISTECTマイクロスプレッダを使って室内空間に放出し、室内の露出表面を処理する仕組みです。燻蒸式の殺虫剤と同じ使い方をします。電源をいれて放置し、2時間ほど部屋の外で待機し、マスクをし、部屋の換気をしながら入室するという使用法です。

これでわかるように、MISTECTは空間除菌システムではなく、表面除菌システムです。待機している間に、薬剤がブラウン運動で部屋全体にひろがりながら、露出表面にくっついていきます。

MISTECTウォーターは一切の添加物なく、精製水とGSEのみでつくった100%ナチュラルなGSE水溶液です。MISTECTマイクロスプレッダは超微粒子を出せる特殊なノズルとコンプレッサを主要コンポーネントとするマシンで、ハンドガンタイプなども投入の予定です。ハンドガンは、たとえばレンタカーの車内清掃などを想定しています。

MISTECTマイクロスプレッダで空間に薬剤を放出。ブラウン運動で空間全体に広がり、表面除菌を実現。
作業時間は30分-60分間程度。そのあと1時間ほどあけて、薬剤が落ちきるの待って、入室する。

注目したのはGSE(Grapefruit Seed Extract)

目についた論文がもうひとつありました。PubMed: Inhibitory Effect of Grapefruit Seed Extract (GSE) on Avian Pathogens (2019年3月30日)です。Grapefruit Seed Extract(グレープフルーツ種子抽出物)が鳥インフルエンザウイルス(AIV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、感染性バーサル病ウイルス(IBDV)、サルモネラ・インファンティス(SI)および大腸菌(EC)に対する阻害活性をもっているかを調べたもの。IBDV以外にはよく効くことが示されています。この他にも、ネコカリシウイルス、マウスノロウイルスおよびA型肝炎ウイルスを不活化したという論文がありました。

GSEはもともと抗菌剤として有名で、食品添加物(既存添加物)として認められており、食中毒を起こす菌を除菌できることはわかっていました。すでにさまざまな加工食品に用いられているものですが、上の論文にあるように、なんと鳥インフルエンザウイルスにも効く。仕組みは、GSEに含まれるフラボノイド類がウイルスのエンベロープをこわすというもの。

自然由来の植物エッセンスにこのような機能があるのは驚きですが、植物の「我が身を守る」方法論のひとつなのかもしれません。そうであれば、当然、エンベロープウイルスであり、インフルエンザウイルスの仲間でもある新型コロナウイルスにもGSEは有効なはずです。

ただし、現時点では論文レベルでの

  • SARS-CoV-2がエンベロープウイルスであること
  • GSEにはエンベロープを壊す能力があり、鳥インフルエンザウイルスなどを不活化できたこと

という二つの事実からの「論理的帰結」です。
2020年11月27日追記
GSEがSARS-CoV-2ウイルスを抑制するという研究論文が発表されました。
A Nasal Spray Solution of Grapefruit Seed Extract plus Xylitol Displays Virucidal Activity Against SARS-Cov-2 In Vitro

理想は、複数のオフィスを選定し、一定のコーティング処理を行い、そこに新型コロナウイルスをばらまいて不活化の程度を検証することです。当然、n数も確保して、科学的にやりたい。それを繰り返して、「この大きさの部屋ならXミリリットルの放出でY日間、新型コロナウイルスを不活化できます」という量的な確定情報を出すべきだと考えています。

しかし残念ながら、現在、COVID-19は指定感染症であり、「新型コロナウイルスをオフィスにばらまく」ことができない状態です。すでに病院や大学を含むさまざまな研究機関と相談中ですが、しっかり「変数XとYを確定するエビデンス」を科学的な方法で取得しながら、このシステムの普及を図りたいと考えています(研究室レベルでは、「GSEの水溶液で新型コロナウイルスを10秒間で99.9パーセント不活化できる」という先行研究もあります)。

帯電放出で表面にくっついていく

GSEに効果があることは期待できます。さて、問題は、これをどう使うかです。
MISTECTは、GSEの水溶液(MISTECTウォーター)を、MISTECTマイクロスプレッダを使い、7ミクロン程度の超微粒子で空間に放出するという手法をとりました。これにはふたつの目的があります。

第一は、ブラウン運動を利用して、薬剤を室内の露出表面に行き渡らせるためです。超微粒子は空間中でブラウン運動をします。これが想像以上に激しい運動で、一カ所から放出しても、それが自動的に拡散し、室内の天井・壁・家具・床などの露出表面にはりつきます。

築地本願寺様のご協力で実施した本堂でのコーティング実験では、30分間の作業と1時間の待機※で、土足で踏む床を除菌できていました。
※部屋の外で待機するのは、薬剤が落ちきり、コーティングが終わるのを待つためです。MISTECTは燻蒸式の殺虫剤と同じ使い方をします。

第二は、レナード効果(Lenard effect)で薬剤を帯電させる、ということです。水をイッキに微粒子にすると帯電するのが、レナード効果です。そして帯電した薬剤は表面にくっつきやすくなります(厳密には、相手の素材による。プラスに帯電しやすい物質の表面にはよくくっつき、マイナスに帯電しやすい物質の表面にはくっつきにくい)。ブラウン運動で拡散し、静電気でくっついていくのです。

ターゲットとする部屋の大きさ(表面積の大きさ)にもよりますが、おおよそ30分~60分間くらいのマイクロスプレッダの稼働と、その後の1時間くらいの待機で、部屋の全体に薬剤をコーティングします。

MISTECTの長所

MISTECTの長所は以下の通りです。

  • 広い面積を手間なく処理
    壁や床などの広い面積を、手間なく処理できます。MISTECTマイクロスプレッダを部屋に設置して、電源を操作するだけ。あとは勝手にブラウン運動で壁にも床にもひろがります。
  • 健康被害の心配がほとんどない
    MISTECTウォーターは、一部のGSEが含むような農薬成分(塩化ベンゼトニウム/塩化ベンザルコニウム)や防腐剤成分(トリクロサン/メチロパラベン)、界面活性剤成分(グリセリン)を含まない、100%ナチュラルなGSE水溶液です。基本的には口にしても安全なもの。かつ、作業中は部屋から出て、薬剤が落ちきってから入室し、換気する方式ですので、吸い込むこともありません(規定外の使い方、たとえばMISTECTウォーターを大量に飲むといった場合の安全性は保証できません。すべての化学物質の「安全」は、量や濃度によって決まるものです)。
  • 手では行き届かないところも処理可能
    実験を繰り返して驚いたのは、机の裏や椅子の高さ調整ノブなど、思わぬところにも薬剤コーティングができていたことです。手作業の消毒では見逃してしまうところも、MISTECTがカバーします。
  • 持続性がある
    これも大きな特徴です。薬剤を繰り返し放出していくことで、コーティングを重層化しますので、効果が持続します。既存の薬剤は、その瞬間はウイルスを不活化できても、その後、また感染者がやってくると、やはり汚染されるもの。MISTECTは壁や床で新しくやってくるウイルスを待ち受けて不活化できます。

MISTECTの短所

短所も整理しておきます。

  • 苦手な部屋もある
    温泉大浴場のような、表面がずっと濡れているところでは使えません。表面に定着できないからです(乾燥させてからなら使えますし、定着後は水に溶けだしたりしません。水性塗料と同じ原理です)。
  • 屋外では無力
    ブラウン運動を利用して拡散し、帯電を利用して表面にくっついていく、という仕組みです。屋外ではどちらも期待できず、彼方に薬剤が霧散するだけとなります。
  • 頻繁に人間が触れるとコーティングが剥げる
    もちろんドアノブなどもコーティングしますが、頻繁に人間が手で触れるので、少しずつ薬剤がとれ、コーティング効果はなくなります(しかし逆にいうと、頻繁に人間が触れるところは、頻繁に人間が手作業で消毒するほうが効果が高い、ということでもあります)。
  • 空間除菌はできない
    空間に超微粒子を放出するのは、ブラウン運動と帯電効果で表面にコーティングをするためです。室外で待機し、終わったら換気という作業になります。人のいる部屋で実施すること、そこで長時間稼働させることは前提としておらず、空間除菌には利用できません。MISTECTは表面除菌(サーフェスコントロール)システムです。

ウイルスの「循環」を防ぐ

MISTECTの開発動機は、3密環境でのクラスターの発生を防ぎたい、ということでした。3密を避け続けていては、なにもできません。かといって、なにも手だてをすることなく、徒手空拳で3密を再開すると、再び、感染爆発することが目に見えています。ドイツでも韓国でも日本でも、ゆるめた瞬間にクラスターが発生しました。このままでは、怯えながらの営業再開、イベント・演奏会再開となるほかありません。

ウイルスによる感染症には「ウイルス量を減らせば、感染しにくくなる」「感染しても、重症化しくくなる」という常識があります(たとえば伊木繁雄「インフルエンザと風邪の違い」など)。MISTECTは、生活環境下でのウイルス量を減らすことを目標としました。とくに主要なターゲットとしたのは、床です。

感染者のエアロゾルは下に落ちます。また、屋内の床には、外部からも靴を通じて持ち込まれます。たとえば、オフィスのトイレを感染者が使った場合、水を流した瞬間にトイレ中が汚染され(糞口感染)、そのウイルスが靴底について、オフィスの床に持ち込まれるわけです。

床のウイルスは、掃除機やヒトの活動で舞い上がることが、さまざまな実験で報告されています。その舞い上がったウイルスに感染性があるかどうかは、まだ確認できてはいませんが、私たちは夜のお店のクラスター発生事例などをみて、床を媒介として、ウイルスは室内をグルグルまわっている(循環している)のではないかと疑っています。

床や壁の新型コロナウイルスを手間なく不活化

しかし床は、とても消毒がしにくいのです。高濃度アルコールを床一面に噴霧すれば消毒できますが、これは爆発・炎上の可能性がある(決して、やらないでください。海外ですが、大量のアルコールを噴霧しながら消毒していた最中、電源コードのスパークから火がつき、火事となったり、爆発したりした事例があります)。

界面活性剤をふりまくと、要は石鹸ですから、あとの処理が大変です。そして次亜塩素酸ナトリウム水をうっかり噴霧すると、床下の機械がこわれる可能性が高いし、ずっと従業員は匂いに悩まされます。それに、液剤を振りまく場合は、事前準備がとても大変。それを防護服を着てやらなくてはなりません。

この問題を、MISTECTは解決します。電源を入れて放置するだけで、床を含む部屋の全体をアンチウイルスコーティングし、しばらくその効果が持続します(サーフェスコントロール)。同じように消毒しにくい壁もコーティング。オフィスや飲食店、美容室、コンサートホールなどのクラスター発生防止に役立つと期待できるほか、病院や介護施設で適切に使えば、思わぬところからの院内感染を防ぐ有効なツールとなる可能性もあります。

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MedCraveの論文の指摘

冒頭で引用した論文 “Environmental surface contamination with SARS-CoV-2 – a short review” についての詳細です。ディスカッション部分に重要な指摘が書かれており、飛沫感染以外の、非接触の感染(fomite transmission/媒介物接触感染)に対して有効な対策を講じることが、医療崩壊を防ぐ鍵であるとしています(Lowering the non-contact transmission rate was key to bringing down the number of infection cases below the hypothetical health-care capacity.)。

そして言及されているのが、SARS-CoV-2 が登場する前から研究されていた、ノロウイルスの感染動態の把握です。そのモデル化により、手指の衛生管理だけでは、病原体の感染を抑制するための対策として不十分であることが示されていたといいます(Before SARS-CoV-2, modelling efforts aimed at capturing the transmission dynamics of norovirus and other microorganisms have shown that hand hygiene alone is insufficient as a control measure for limiting fomite transmission of pathogens.)。

この研究では、最も汚染されていた「表面」は、冷蔵庫、引き出しの把手、休憩室のシンクの蛇口、ビルのメイン出口のプッシュバー、共同のコンピュータステーション、机の椅子のアーム、女性用トイレの石鹸ディスペンサーだったそうです(In this study, surfaces found to be most contaminated were the refrigerator, drawer handles, sink faucets in the break room, the pushbar on the main exit to the building, communal computer station, desk chair arms and soap dispensers in the women’s restrooms.)。

手指の衛生管理とは、つまりは手洗いのことですが、これは究極の水際作戦。それに加えて、「何か有効な対策」をとらないと、感染を抑制できない、という内容です。これが、MISTECT発表の直接の動機となりました。

GSEによるアンチウイルスコーティングで、室内のサーフェスコントロールをし、媒介物接触感染(fomite transmission)リスクを下げるMISTECTは、手指の衛生管理に加えるべき、有効な手だてだと考えています。


参考:ブラウン運動について

MISTECTは空間放出した薬剤をブラウン運動を利用して拡散する仕組みです。ブラウン運動については、こちらのサイトのアニメーションをご覧ください。

注記

  • MISTECTは室内の「感染力をもつ新型コロナウイルスの量を減らす」ことで、感染リスクと重症化リスクを小さくするシステムであり、感染を防ぐシステムではありません。必要な場面ではフェイスガードや手袋などで防備し、手洗いを励行するなど、他の感染予防措置も講じてください。とくにMISTECTは空間除菌システムではないため、部屋の換気は必須です。
  • MISTECTはブラウン運動を利用して、薬剤を隅々まで行き渡らせる表面除菌システムです。屋外ではご利用になれません(拡散し、表面コーティングができないため)。室内や車内での利用を前提としたシステムです。
  • MISTECTのコーティング効果の持続性は、部屋の種類や使われ方、噴霧量に依存します。また、薬剤は水溶性であるため、温泉大浴場のような水分の多い場所、結露の多い場所での利用では、持続性は失われます。
  • 化学物質の原則は、量次第で「毒にも薬にもなる」ということです。MISTECTが採用した柑橘系植物エッセンスはグレープフルーツ種子からとった100%天然の成分で、一切の添加物を含んでおりませんし、施工時も施工後も吸引はしないことから、「安心・安全」としておりますが、大量に摂取した場合や、長時間吸引した場合の安全性は確認しておりません。マニュアルで指定した以外の使い方をすると、思わぬ健康被害が出る恐れもあります。
  • 「MISTECT」はインフォリーフ株式会社の登録商標です。

開発にあたって参照した論文




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